ITビジネスの原理
マッキンゼーから、リクルート、グーグル、楽天と転職を10回もされた尾原さんの本。
序盤は、いままでのITの流れがかかれていてすごくわかりやすくすっと読めました。
その流れに加えてマネタイズや、コミュニケーションの変化なども詳しくあり、
面白かった!
特に後半が興味深い内容でして、
インターネットの発達から情報発信・受信コストが下がり、コミュニケーションがいつでもどこでもとれるようになり、食べログで美味しいとおもったレストランをアップしたり、Twitterで面白い記事をRTしたり、Facebookに近況をアップしたり、ブログをかいたり。そうした個々の情報発信に対してついてくるのは人からの評価ですよね。
心理学者マズローが唱えた「欲求五段階説」というものがありまして、マーケティングなどにもよく使われる説なのですが、
人間の欲求はピラミッド状になっていて、まず
最下位である底辺が、ねむい、お腹がすいたなどの「生理的欲求」
つぎに、経済的、健康水準の安定などの「安全の欲求」
他者から受けいれられ、社会や集団に属しているとかんじる「所属と愛の欲求」
そして、今回語られている「承認の欲求」
自分が価値あるものであると認められ尊重されたいというものです。
Facebookのイイネ!やTwitterのお気に入りやRTなどもこれに当てはまります。
この上の最上位が「自己実現の欲求」
人から認められたいという人間の欲求がITの変化に大きく関与しているとも
いえるでしょう。
また、日本におけるハイコンテクストの文化も起因していると書かれています。
ハイコンテクストとは、抽象的な表現であってもその言葉の背景・環境などから文脈を察し分かり合える状態を指します。
阿吽の呼吸という言葉があるように、日本人は極めてハイコンテクストなコミュニケーションであると言われているのです。
絵文字やラインのスタンプが流行っているのもこうした背景があるからなのです。
言葉ではない部分や隙間を楽しむ日本人にピッタリだったんですねー。
また、チームラボの猪子さんの言葉が引用されていて、これも良いなあとおもったのが、
非言語のコミュニケーションに向かっていくのではないか、というものだったのですが、例えばカフェやお店でメニューがアイコン化されていたり、写真が掲載されていることで、言葉で説明されているより随分わかりやすくなりますよね。
少し前から話題ににっていたようなフラットデザインもこの非言語のコミュニケーションが形になったものなのかもしれません。
最後に述べられているのが、このハイコンテクストのコミュニケーションを可能にするのがウェアラブルテクノロジーであるとのことでした。
例としてはグーグルグラスが挙げられていたのですが、何にせよまだ実生活には馴染みがないものなので今後の発展に期待というかんじですね!
ITってだけで難しい内容かなあと思ってしまったのですが、めちゃめちゃ分かりやすくて読みやすかったです^^
やはり、マーケティングは人のコミュニケーションや心理的要素が関わってくるから面白いなーとおもいますね。