CREATIVE TALK 2014
11/21に京都で開催された、CREATIVE TALK 2014の講演会に参加してきました。
日本の広告クリエイティブを代表するトップクリエイターの方々の
お話がきけるということで。
かなり穴場イベントだったのか、意外に聴講者は少なかったですが!
とても面白い話がきけたので、ここに残しておきます。
お話してくださった方々を紹介しておくと、
まずは、TBWA/HAKUHODO の新沢崇幸さん。
日テレ ビジョン「見たい、が世界を変えていく。」60秒映像 - YouTube
テレビでこちらのCMを見られた方も多いのでは。
わたしもこのCMを見たとき、うるっときた覚えがあります。
メディアって信じやすくもあり、また信じがたいものでもあるとわたしは考えています。誰かが裏でシナリオを書き、そのシナリオ通りに進み、それを鵜呑みにしてしまう視聴者もいる。これだけ情報が氾濫していれば、正しいか正しくないかは能動的に探そうとしなければ真実はわからない。
反対に言えば、情報に受動的な生活者はだまされやすいとも言えるのではないでしょうか。
そういった、メディアへの疑念も高まりつつあるなか、
このCMは非常に優れたものであると思います。
企業の理念を嫌らしくなく、また視聴者が共感できる伝わり方でつくられているからです。
新沢さんのお話で興味深かったのは、広告をつくる上でよく言われる
WHAT 何を伝えるか
HOW どう伝えるか
だけでなく
もう一つのHOW、すなわち
HOW どう伝わるか
の三つを意識すべきだというお話でした。
ようするに、どう伝えるかのソリューションを導くにあたって
何を伝えるか・どう伝わるかの二つの視点から考えると、
そのソリューションは生活者に響き、また動かすことができるということでした。
全く以てそうだとわたしも思います。
街にたくさんある広告をみていても、何を伝えたいのかはわかるが、その伝え方が下手だなあと感じるものがたくさんあります。そうした広告は、生活者にどう伝わっているか、どう思われているかがきちんと考えられていないのだと思います。
「うちのお茶が一番」だなんて言われても、どこもそう言っていますし、ああそうなんだくらいにしかみなさん感じないでしょう。
せっかく高いお金を払っているのだから、自己満足で広告をつくるのはもったいないです。伝える相手のことを考えないと。
次に、博報堂の塩崎秀彦さん。
いいなCM ダイハツ ムーヴ MOVE ② 7本立て - YouTube
みなさん絶対にテレビでこのCMを観たことがあると思いますが、とても面白いですよね。
このCMのすごいところは、これだけ製品の良いところだけを言っている本来なら記憶にあまり残らないほどの内容を、上手い具合に面白おかしく事件化しているところだと思います。
こういったCMなどをみると、本当にクリエイティブの力だけでできているようにも感じますが、全くの反対で理屈で出来ているものを上手くクリエイティブで隠しているだけなんだとお話をきいて思いました。
みなさんが普段目にしている広告やCMには、
実はロジックツリーがきちんと構築されていてそれがこういう表現に落とし込まれているんです。これからそういう風にCMなどを見てみると面白いですよ!
基本的に広告は企業の都合の良いメッセージです。しかし、これとエンタテイメント性を上手い具合に配合することで、広告のもつ情報を最大化できると塩崎さんは話されていました。まあ、この配合が難しいのだとは思いますが、ドストレートにメッセージを表現しないということが大事なのでしょう。
最後に電通の高崎卓馬さんです。
docomo d video CM「BAR」篇 60s (繁中) - YouTube
他にも、2020年オリンピック・パラリンピック東京招致、「行くぜ、東北。」、「オランジーナ」など様々なお仕事を手がけられた方です。
この方めちゃくちゃ面白くて、仕事にまっすぐで、また考え方にすごく共感できたので、お話がきけてよかったと本当に思います。
まず、彼曰く、人は必ず暗黒面に落ちると。
それはクライアントの褒め言葉であったり、時間や予算のなさ、自分の妥協、
タレント使用のオッケーがでている、広告賞、いいね!、納品、競合勝利…
などなどいろいろとあげられていましたが、
これらに惑わされている人たちが暗黒面に落ちている人たちだと。笑
もうこんなの関係ねえと強くやっていくことが大事だと。笑
わたしも自分に甘くしがちなので、ぎくっと来ました…
暗黒面には落ちないようにしようと思います(笑)
あと、
「広告を映画や音楽、小説と同じ様な表現だと考えるか、そうでないか」
という言葉にグッときましたね。
どちらかといえば、私も小説からコピー、広告と興味を持った人なので
映画や音楽、小説などの表現と同じものだと考えています。
「その表現と出会う前と後で、人の何かを1ミリでも変えられるか」
わたしは今まで、何をするにしても人に何かを伝えたいと思い、いろいろなものをつくり表現してきたつもりです。
だからこそ、広告表現に惹かれるのです。
広告をみてモノを買う人がいる、興味を持つ人がいる、感動する人がいる、笑う人がいる。すごく面白いことだとおもいます。
だからわたしは、同じ表現だと思いたいし、同じ表現であるためにつくってほしいとも思います。それを目にするのは人ですし、伝えたいじゃないですか。
だから、彼の話をきいたときに、表現に熱く生きたいなあと感じました。
総じて、久しぶりに広告のお話を聴くことができたので、
やる気がぐんとあがったのでした。
では